等価交換方式


等価交換とは?
等価交換方式とは、土地所有者がディベロッパー等と共同で建物を建設する事業方式の
一つで、土地所有者は土地を、ディベロッパー等は建物の建設資金をそれぞれ出資し、土
地所有者の土地の一部とディベロッパーの建物の一部を等価になるように交換し、双方が
土地・建物を所有することにする事業方式である。

 等価交換方式を利用すると、仮に土地所有者の資金力がゼロであっても、借入金ゼロあるいはわずかで建物を建てることができるのです。また、土地所有者が自分の力だけでは建てられないような大規模な建物を勝てることも可能になります。
 ただし、土地をディベロッパー等に譲渡することになりますので、譲渡所得への課税が行われます。しかし、譲渡税繰り延べの特例措置を適用することができれば大部分の課税を繰り延べることができます。
等価交換方式のメリットとデメリット
  1. ディベロッパーが建築するので地権者に借入金が発生せず金利変動等の返済リスクがなく安定収入が期待できます。
  2. 土地譲渡益に対する所得税が、特例により繰り延べされます。
  3. マンション建築の専門家が建築するため、そのノウハウが利用でき高い資産価値が期待できます。
  4. 設計、監理、行政との折衝、近隣交渉、施工管理等の煩わしい業務に携わることなく事業ができます。
  5. 取得床の資産運用、価値維持にディベロッパーのノウハウが利用できます。
  6. 自己使用割合の低減により、相続税評価額が軽減されます。
  7. 区分所有となるために、遺産分割が比較的容易になります。
  8. 資産の譲渡性が高まり、相続税納付時の換金化が比較的容易になります。
特徴
メリット
デメリット
土地所有者は土地をディベロッパー等は建物をそれぞれ提供し交換する。 土地所有者は、建物建設資金を用意する必要がない。 ディベロッパーは、販売経費や利潤を含めた価格で建物を提供するため、土地の評価額が低いと感じる場合がある。
事業はディベロッパー等との共同事業の形で行う。 ディベロッパーの各種の事業ノウハウ を活用でき、設計、行政折衝、近隣折衝等の専門的あるいは煩雑な業務をディベロッパーに一括して委託することが出来る。 ディベロッパーが取得した部分を分譲した場合、権利者、利害関係者が多人数になる。
買い替え特例の要件に該当すれば譲渡課税を一定の範囲で繰り延べられる。 土地の交換に関わる費用を削減することができる。

課税が免除されたのではなく繰り延べとなっているだけなので、次のように形を変えて納税することになる。
・次に売却する際、その分課税額が上乗せされる。
・建物部分につき、買い替え特例を適用すれば、取得価格がかなり低くなり、結果として毎年減価償却に繰り入れられる額が減少することで毎年の課税額が増える。(減価償却は取得価格を基に計算するため)

 

等価交換方式の種類
等価交換には、
1. 全部譲渡方式
2. 部分譲渡方式

という2通りの方法があります。

■1.全部譲渡方式
 全部譲渡方式とは、土地所有者がいったん土地をディベロッパー等に譲渡し、その譲渡対価相当額で、ディベロッパー等が建設した建物の一部とその建物に対応する土地を買い戻す方法です。つまり、土地所有者はその土地の譲渡対価として、相当額の土地付き建物を取得するということになります。

例:土地所有者AがディベロッパーBと等価交換事業を行う場合

土地所有者A・・・4億円相当の土地を提供
ディベロッパーB・・・6億円相当の建物を提供

1)土地所有者AがディベロッパーBに土地を4億円で売却
2)ディベロッパーBが、建物とそれに対応する土地合わせて4億円分
  を土地所有差者Aに売却

 土地は4億円、建物は6億円なので合計額10億円になる。
 土地所有者には4億円分の土地、建物が売却されるため、

 A所有部分:B所有部分 = 4 : 6 
 となる。

■2.部分譲渡方式
 部分譲渡方式とは、土地所有者が土地の一部をディベロッパー等に譲渡し、その譲渡対価相当額で、ディベロッパー等が建設した建物の一部を取得する方法です。

例:土地所有者AがディベロッパーBと等価交換事業を行う場合

土地所有者A・・・4億円相当の土地を提供
ディベロッパーB・・・6億円相当の建物を提供

1)土地所有者Aが、土地の6/10を2億4,000万円でディベロッパーBに売却
2)ディベロッパーBが、建物の2億4,000万円相当分を土地所有者Aに
  売却。建物は6億円なので2億4,000万円は4/10になる。
 土地所有者Aは土地の4/10、建物の4/10所有し、ディベロッパーBは土地
 の4/10、建物6/10を所有することになるため、
   
 A所有部分:B所有部分 = 4 : 6 
 となる。
等価交換方式の検討
  1. 等価交換の事業性シミュレーション
    等価交換方式によると、建物建設後は土地所有者とディベロッパーの建物が共有(あ
    るいは分有)することになる。
    ディベロッパーは建物を分譲、または賃貸することにより不動産事業を行い、土地所
    有者は自己利用する部分を除いてディベロッパーにその運用を委託するケースが多い。等価交換事業の事業性の成立は、建設後の延床面積、分譲価格、または賃貸料と土地価格、工事費のバランスによって決まる。
    このため、当該地域の不動産市場、土地利用規制などの立地条件により、事業成立性
    が大きく左右されるので、これらを十分加味した事業シュミレーションの検討が必要である。

  2. ディベロッパー側の採算性の考え方
    ディベロッパーは、等価交換事業により取得した土地・建物を分譲もしくは賃貸し、
    利益を得る。分譲の場合は、建設費にディベロッパーの経費、利益を上乗せして分譲する必要があるため、これらを含めた価格では周辺の相場により、十分競争力のある水準で設定されることになる。
    ディベロッパーは、
    ・分譲収入−(分譲利益+諸経費)≧建設費
    となる交換比率以下では事業に取り組むことがメリットがないことになる。

  3. 土地所有者の採算性の考え方
    土地所有者は等価交換によって取得した床を分譲又は賃貸することにより、収益を得
    ることができるが、等価交換事業を行わなくとも、土地を更地で売却し、または借地にすることにより収益を上げることもできる。この2つの収入を比較し、どちらの方法を選ぶかの判断を行うこととなる。
    土地所有者は、
    分譲収入≧更地売却収入
    となる交換比率以下では、等価交換事業のメリットはないということになる。