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定期借家権Q&A 3
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3 定期借家契約上の注意ポイント
(中途解約と賃料改定について)
定期借家契約の場合、借り主の方から中途解約をすることができるとききましたが?
▼回答
居住用の建物でその床面積が200m2未満のものについては、次の要件を全て満たす場合、借り主の方からの1ヶ月前の申し入れによる中途解約がみとめられています。
ア) 転勤、療養、親族の介護などのやむをえない事情があること
イ) アの事情により、その建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったこと。
なお、これ以外の内容による特約を結ぶこともできますが、その内容が借家人の方に不利になるものは無効となります。
居住用の建物には、生活の本拠として使用している店舗併用住宅を含みます。
また、事業用の定期建物賃貸借契約には適用されません。
今回、居住用の定期借家では、転勤、療養、親族の介護その他やむを得ない事情による場合は、中途解約が認められていますが、それは契約書に書かれていなくてもよいのですか?
▼回答
法律で保証されていることですから、契約書に書かれていなくてもOKになりなす。
ある法人企業に社宅として一括借上げしてもらう予定にしておりますが、その場合法38条第5項の中途解約は認められるのでしょうか?
▼回答
借り主が法人の場合は、中途解約は認められません。法では、「転勤、療養、親族の介護その他やむをえない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったとき」ということで、あくまで個人の借り主に限定されています。法人企業が「自己の生活の本拠」ということはありえないからです。
借り主がリストラにより転勤せざるをえなくなり、契約物件を生活の本拠とすることができなくなりました。この場合、定期借家で中途解約のできる「やむを得ない事情」といえるのでしょうか?
▼回答
中途解約条項のやむを得ない事情に該当すると思われます。リストラという他力によって転勤が明確だからです。類似のケースとしては、業務命令による長期海外留学なども「やむを得ない事情」になるでしょう。
一方、借り主が、リストラにより収入の減少のため転居するという理由の場合は、「やむを得ない事情」とはいえないでしょう。なんでもかんでも「やむを得ない事情」という訳ではありません。
定期借家契約で、借家人が中途解約の申し込みをしてきました。やむを得ない事情を訴えていますが、その真相は不明です。その場合、事情を証明するものの提出は求められますか?また、偽りだと判明した場合は?
▼回答
貸し主としては、事情を記した文書の提出は求めることはできるでしょう。偽りの場合、それでもそのまま居住して頂くか否かは、貸し主の判断になります。
なお、貸し主側には損害賠償請求権が残ります。
定期借家の契約をしているのですが、継続して貸したい場合はどうなりますか?
▼回答
定期借家では、従来からある借家契約のように自動的に更新されることはありません。従って、再契約をするということになります。貸し主と借り主の合意で再契約は自由に何回でもできます。実務上は、期間の終了の通知等の時に、あらかじめ借り主の再契約の意志を確認しておくとよいでしょう。
5年契約の定期借家契約をしていますが、賃料に関する特約を設けていませんでした。従来のように、2年毎の家賃の見直しができるのでしょうか?
▼回答
定期借家であっても賃料改定の特約をきちんと定めていない場合には、借地借家法32条(賃料増減請求権)が活きることになります。従って、その賃料が市場変化等で著しく不適当と認められる場合は、見直されることができます。貸し主、借り主双方から請求できることになります。ただ、2年間毎ということはありません。
定期借家では、賃料改定ルールをきちんと決めればそれは有効と聞いております。当初安く設定し、3年後には20%アップしますという取り決めは有効でしょうか?
▼回答
借り主が契約時に十分納得されていることであれば、無効ではありません。ただあまりに借り主に不利なものは契約が難しくなるでしょう。
定期借家の契約書に、再契約の場合は「賃料は10%アップで再契約します」という規定をいれるのは有効でしょうか?
▼回答
再契約を予定することを本来契約に入れることは難しい。更新がないことが大前提です。再契約の手続きについて契約上定めておくことはできますが、そこで、賃料まで特約し10%アップということは、不当条項になる可能性があります。
賃料は市場実態に応じた水準に適正に決められるべきであり、市場実態とかけ離れたものは、借り主が選択しなくなります。貸し主が一方的に決めれるものでもないでしょう。類似したケースとして、再契約の時に不当な家賃値上げや一時金の請求等も考えられますが、借り主が合意しないでしょう。
定期借家での賃料改定にはどのようなケースが考えられますか、わかりやすく教えて下さい?
▼回答
賃料改定を特約する場合には、その定め方(表示の仕方)で次のような累計が考えられます。
(表示パターン)
イ) 当初賃料のみの場合:法32条が適用されます
ロ) 当初賃料+増額しないの場合:貸し主は増額できないが、借り主の減額請求は残り可能です。
ハ) 当初賃料+抽象的な増額の場合:拘束力はない
ニ) 当初賃料+改定条項(3%を基準にアップなど)の場合:拘束力ない
ホ) 当初賃料+改定条項(明確な)の場合:32条の制約をはずれ、明確に定めれば尊重される
ヘ) 当初賃料+改定しないの場合:32条を排除し、有効である (参考)借地借家法第32条(借賃増減請求権)
建物の借賃が、土地もしくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地もしくは建物の価格の上昇もしくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向って建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。
賃料改定の特約を定めたいと思っていますが、その場合のルールの決め方を教えて下さい?
▼回答
定期借家では、特約で定めることができるようになりました。その表現は曖昧では折角定めても無効になります。つぎのように明確に数値が計算できることが必要です。
(契約期間内に賃料改定を予定している場合の記載例)
賃料は、○年毎に、以下に掲げる算定式により改定し、法32条の適用のないものとする。
算定式 (例) 改定賃料=(旧賃料ー設定時の公租公課)×変動率+改定時の公租公課
変動率:消費者物価指数の全国平均
注意としては、消費者物価指数だけだと都道府県の数値なのか不明であり、トラブルのもとになります。また、賃料全体に掛けるのか、純賃料(公租公課を除く)に掛けるのかも明確にしておく必要があります。
その他、変動率には、消費者物価指数以外では次のような指数が考えられます。
イ) 相続税路線価(例えば当該建物の接面道路の路線価等)
ロ) 固定資産税・都市計画税
ハ) GNE(国民総支出)
ニ) 卸売り物価指数 他方、○%とか、○○○円とかのルールもあります。
いずれにしても、貸し主、借り主双方がきちんと計算できることが重要です。
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