定期借家権Q&A 4


3 定期借家契約上の注意ポイント(期間の終了について )
  1. 定期借家では、期間の満了について通知義務があると聞いておりますが、1年未満の契約は通知しなくてもよいのですか?
    ▼回答
    改正法38条4項において、建物の賃貸借期間が1年以上の場合は期間満了の1年から6ヶ月前に、建物の賃貸借は終了する旨を通知しなければなりません。その趣旨は、借り主が契約期間を忘れてしまうことを防止するためと、貸し主が再契約の意志がない場合に借り主が代替えの賃貸建物をさがす余裕を与えるためです。従って、1年未満の契約期間の場合、借り主が期間満了を忘れることは通常考えられませんので、1年以上の場合に限定した規定になっています。1年未満の契約期間のものは、通知義務はありません。


  2. 期間終了通知は、6ヶ月前とのことですが、貸し主の方が、うっかり忘れていた場合はどうなるのですか?
    ▼回答
    定期借家で1年以上の契約期間の場合は、1年から6ヶ月前までに通知が必要です。通知が遅れた場合は、通知をしたその日から6ヶ月で終了することになります。通知が遅れたら従来ある借家契約(法定更新で自動的に契約が更新される)になるということはありません。あくまでも、通知期間を過ぎていても通知した時から、6ヶ月で終了します。

  3. 契約期間が1年以上の定期借家の場合、貸し主から借り主へ期間満了に伴う契約終了の通知義務があるとのことですが、どのような方法で通知すれば良いのですか?
    ▼回答
    通知したことが証明できるように、書面でかつ内容証明郵便での通知が、得策と考えられています。

  4. 6ヶ月前通知で再契約の諾否をとることは、リロケーションなどの場合、まだ再契約をするかどうか決まってない場合が多いと思いますが、そこで諾否をとるのですか?
    ▼回答
    契約の終了通知と再契約の意志確認とは、かならずしも同時期に決める必要はありません。実際に再契約をするかしないかは、期間終了の直前でもよいのです。ただ、早めに再契約の意志を確認しておくことは、借り主にとっても、貸し主にとってもよいことでしょう。

  5. 期間が終了しましたが、借り主が立ち退きません。法的措置をとる場合、どういった段取りになるのですか、また、どのくらいの期間をみておけばよいのでしょうか?
    ▼回答
    訴訟を起こし、強制的に立ち退いてもらうまでには、次のような手続きとなります。
    (1)まず、明らかに契約違反であることを証明する書類を添えて、裁判所に申し立てます。
    (2)その時に、第三者の居住を禁止する仮処分を同時に申請します。
    (3)即判決がでます。(高裁、最高裁までもつれることもあります)
    (4)強制執行の申し立てをし、現場確認をおこないます。その時、貸し主も立ち会います。
    (5)執行官が強制執行をおこないます。
    時間的には、およそ4〜5か月と思われますが、最大1年程度みておけばよいでしょう。


  6. 借り主が居座ったため、次の借り主がきまっていたのにキャンセルになってしまいました。その場合、その損害金を居座り者に請求はできるのでしょうか?
    ▼回答
    その損害がうそでなく事実であり、明白にそれだけの損害が生じることを、居座り者に分からせておくことが重要です。そのことを十分に認識しながら居座りを続ければ、当然損害金の対象になります。

  7. 定期借家で契約をしてから、後日トラブルが発生した場合、交渉相手は仲介者(不動産業者)または貸し主(オーナー)のいずれになるのでしょうか?ただし、契約時にオーナーは同席していません。
    ▼回答
    仲介者はあくまで貸し主の代理人にすぎません。借り主からの文書などは、すべて貸し主あてにしてもらって下さい。契約当事者はあくまで貸し主と借り主です。その上で、解決にあたることが必要です。

  8. 契約期間の終了期日がきましたが、入居されている借り主が重い病気で寝込んでいます。無理やり動かすのもどうかと思いますので、どのように対応すればよいでしょうか?
    ▼回答
    いろいろな状況が考えられますので、一概にいえません。貸し主は個別に対応することになります。
    定期借家は期間の設定は自由ですので、あらかじめあと8ヶ月程度必要ということであれば、8ヶ月の期間の再契約をすることもひとつの方法です。または、損害金という形で、従来の賃料相当分を設定し、期間を超過した分について措置することも考えられます。

  9. 期間途中で借り主が死亡した場合、その同居されている内縁関係の配偶者を次に借り主として契約を結ぶべきですか、または、相続人との契約になるのでしょうか?
    ▼回答
    居住用建物の借り主が死亡した場合は、通常、その相続人がその賃貸関係を引き継ぐことになります。相続人がいないケースについては、法律では「事実上夫婦又は養親子と同様の関係にあった同居者があるときは、その同居者は建物の賃借人の権利義務を承継する」(借地借家法第36条)となっています。
    従って、今回のケースで相続人がいれば相続人が引き継ぎ、もし相続人がいない場合は、同居されている配偶者が賃貸関係を引き継ぐことになります。ただし、その同居者が相続人なしに死亡したことを知った後1ヶ月以内に、貸し主に引き継がない旨意思表示をした場合は、この限りではないということになっています。


  10. 借り主側の連帯保証人は、再契約の場合もその都度結ぶことが必要でしょうか?
    ▼回答
    はい、その都度結ぶことになります。もし、通知遅れで契約期間を過ぎている場合は、その過ぎている期間については連帯保証は除外されていることになります。ただ、定期借家では、期間が定まっておりますので、悪質な入居者は排除できますので、それ程連帯保証の意味はうすれているとおもいます。連帯保証が必要な場合は長期の期間を設定する場合などに限定されるでしょう。高齢者の場合は、身元引き受け人ということでしょうか。