定期借家権Q&A 6


5 マイホームを貸家にする際の注意点(定期借家の賃貸借契約書の問題)
  1. 定期借家の契約では、どんな書式を準備するべきですか?
    ▼回答
    定期借家とするためには、文書で賃貸借契約を交わすことになりますが、必ずしも公正証書である必要はありません。国土交通省から標準契約書がでていますのでそれを参考にすることもできます。ただし、自宅を貸家にする際は、期間の設定や期間満了の明渡し等について個別の事情が多いと予想されますので、専門家を交えて契約内容を検討することをお勧めします。


  2. 定期借家の契約で特に注意すべき事項は何でしょうか?
    ▼回答
    定期借家契約のなかで、特に注意すべき事項はつぎのようなものです。
    (1) 契約期間 始期と終期を明記すること。同時に終了通知及び再契約打診の時期もあらかじめ記載しておくことがのぞましい。
    (2) 借地借家法38条の規定する定期建物賃貸借契約であることの表示
    (3) 賃料 期間が特に長いものでなければ、期間中は固定することがのぞましい。途中での改定を予定するのであれば、明確に賃料が決定できる方式をとること。この点で改定を曖昧にすると従来の賃料増減請求権がそのまま残ることになります。
    (4) 敷金 自宅を改装して賃貸する場合など、入居者の要望にあわせて造作したものなどがあるのであれば、通常よりは多くの敷金で債務の担保をとるべきでしょう。
    (5) 中途解約 200m2までの居住用貸家については、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情であれば解約できるわけだが、安易な解約を認めることは、賃貸経営上のぞましくありません。やむを得ない事情がなければ解約できないということを原則とすべきでしょう。
    (6) 明渡し 原則は貸した時点の状態のまま原状回復してもらうべきですが、長期にわたる自宅としての使用を前提とすれば、入居者による造作、仕様の変更などは認めざるをえないと思います。また、自己再使用の予定があるのであれば厳密にどういう状態でいつまでに明渡すかを明記する必要があります。

  3. 定期借家で特約条項として考えるべき事柄は?
    ▼回答
    定期借家の契約制度は、本来契約自由の原則で生まれています。家主と入居者の希望を擦りあわせて、お互いのメリットを最大とする契約内容がベストといえます。その意味では、個別に契約書がつくられても一向にかまわないというべきです。標準であるものがあって、それに特約で個別事情を盛り込むというのは、新しい制度の導入過程でやむをえないことと理解すべきでしょう。