売却ノウハウ


STEP1:買が先か、売が先か
新築・中古とも物件が豊富な今は希望に合う物件が見つけやすく、購入は比較的スムーズに運びます。 しかし、売る立ち場から考えればライバルが多く、逆のことが言えます。また、不動産相場が下がり傾向の時期には特に売りを先行させたほうが実質の手取額が多くなります。また査定価格を考慮して購入予算を決めていれば、資金計画が大きく狂う心配も減ります。
売出し中に価格交渉を受ける可能性もあるので、査定価格よりやや低い価格をベースに資金計画するか、売却が決まってから購入物件を決めるほうがより安心です。

売却するまでの過程

Step1
仲介会社を決める

Step2
仲介会社に査定を依頼する

Step3
仲介会社と媒介契約を結ぶ

Step4
売り出しスタート

Step5
購入希望者と売却条件を交渉する

Step6
売買契約を結ぶ

Step7
代金の受取と物件の引渡し



■Step1「仲介会社を決める」

売出し価格の決定や買主との条件の交渉、契約後の各手続きのフォローなど、販売のパートナーであり、安心して決済・引渡しできるようお手伝いするのが仲介会社の営業マン。またその営業マンの販売力をバックアップするのが仲介会社。
よい仲介会社とよい営業マンの見極め方をまとめてみました。

仲介会社は売却のパートナー

営業マンは買主を探し、諸条件の交渉を経て、契約までフォローします。 売主は営業マンの豊富な情報、知識や経験から、適切なアドバイスを受け、互いに納得した上で売却を進めていくことが大切です。
以下の選び方の5つのポイントや仲介会社の規模による特徴によって選びます。

◎仲介会社がすること

指定流通機構への登録や広告を出すなど営業活動を行う
     ▼
一定のタイミングで売主に書面で販売状況を報告
     ▼
場合によっては価格の見直し
     ▼
購入希望者との交渉・条件の調整
     ▼
重要事項説明書の作成
重要事項説明、契約の進行
     ▼
代金の支払い等への立ち会い

◎選び方3つのポイント

  1. 販売する物件の近辺にある仲介会社は近隣の情報が多い
    自宅の近辺の物件情報をよく掲載している仲介会社のチラシを見たらチェックしよう。
    周辺で購入を希望している人の情報を持っているケースが多いです。
  2. 信頼できる営業マンなら安心して任せられる
    売主と仲介会社が相互に信頼した上で活動するのが売却成功のコツ。
    そのためには担当の営業マンが的確なアドバイスをしてくれる知識、あなたの不安や悩みを払拭してくれるような誠実さ、行動力を持っていれば信頼できます。査定価格の説明の際に見極めましょう。
  3. 地元不動産会社
    駅前などに店舗があり、地域内での売買を専門に行う。地域に密着しているのが特徴で、地元での信頼が厚い。
    指定流通機構(売却や購入の希望がオンラインに登録され、売買情報を共有化できる国土交通省指定の機構、通称レインズ)の普及で、物件情報は共有しているので、大手にひけをとるとは限りませんが、ローン等の資金面で提携サービスがないなどのマイナス面もあります



Step2「仲介会社に査定を依頼する」

予定通りの期間内に売却するためには、住まいを探している人にとって納得できる価格で売り出す必要があります。そのためにはプロの的確な査定が必要です。まずは仲介会社に査定を依頼することから売却をスタートしましょう。
周辺の物件と比べて適正な価格でなければ購入する人はいません。
その「適正な価格」が仲介会社が出してくれる査定価格です。査定価格は3ヵ月以内に販売すると売れる価格として算定します。
まず不動産の綿密な調査後、各仲介会社は独自の査定マニュアルを活用して、市況やエリアの状況を加味しながら査定価格を算出します。査定の依頼はどの仲介会社でも無料なので気軽に依頼できます。
売却を急ぐ場合、早く売れるように査定価格も低めにするなど、売主の事情や売却条件なども査定の要素になるので、なるべく事情を詳しく話しましょう。
査定の結果を聞く場合はその根拠を詳しく聞くことが大切です。
高く査定してくれるところではなく、より納得のいく説明をしてくれるところが販売力のある仲介会社と言えます。





Step3「仲介会社と媒介契約を結ぶ」

仲介会社が決まれば次は媒介契約を結びます。
媒介契約には専属専任、専任、一般の3タイプがあり、いずれも契約期間は最長で3ヵ月。それ以上の期間は設定できないので、期間を延長する場合は再度媒介契約を結ぶことになります。再契約の際、媒介のタイプ変更は可能です。
さて、それぞれの媒介のどれが有利かは市況などによって異なりますが、販売の指揮が明確な専任媒介で依頼するケースが多いです。媒介契約の際には仲介手数料の支払いなど、媒介契約のルールや条件など確認しておくことも大切です。

3種類の媒介契約の特徴

・専属専任媒介契約
『特徴』
1.1社だけに売却を依頼する
2.契約期間は3ヵ月以内(依頼者の申し出による更新は可)

『仲介会社の業務』
1.媒介契約後5日以内に指定流通機構に売却物件を登録する
2.売主に対し、1週間以内に1度以上の割合で販売状況を文書で報告
3.売主に対し、登録を証する書面を発行する

『売主の義務と権利』
1.自ら買い主を見つけても契約はできない
2.媒介契約の期間中、他社を通じた取引や自己発見による取引をすると、違約金(仲介手数料相当額)を仲介会社に支払わなければならない
3.売主の都合で契約解除すると、それまでの経費を支払わなければならない

・専任媒介契約

『特徴』
1.1社だけに売却を依頼する
2.契約期間は3ヵ月以内(依頼者の申し出による更新は可)

『仲介会社の業務』
1.媒介契約後7日以内に指定流通機構に売却物件を登録する
2.売主に対し、2週間以内に1度以上の割合で進行状況を文書で報告
3.売主に対し、登録を証する書面を発行する

『売主の義務と権利』
1.自ら買主を見つけることも可能。ただし通知が必要で、媒介契約の期間中なら、仲介会社が購入希望者を探すためにかけた費用を支払わなければならない
2.他社の媒介によって成約したときは違約金(仲介手数料相当額)を払う。

・一般媒介契約

『特徴』
1.複数の仲介会社に依頼できる。
2.媒介契約を結んだ会社を公開する明示型と、明らかにしない非明示型の2通り
3.契約期間は3ヶ月以内(依頼者の申し出による更新は可)

『仲介会社の業務』
販売活動は行うが、それに対する報告義務などの拘束はない

『売主の義務と権利』
1.自ら買主を見つけて、売買契約を結ぶこと(自己発見による取り引き)も可能
2.明示型の場合は依頼した会社を他の会社に報告





Step4「売り出しスタート」

仲介会社と媒介契約を結び、売り出し開始。
販売活動によって物件に興味を持ってくれる人が現れたら、購入希望のお客様に印象良く見ていただくために部屋を片付けましょう。

●見学者に好印象をもって持ってもらうコツは?

営業マンはスムーズに売却するためにいろいろアドバイスをします。
例えば、販売物件の長所や生活上の利便性などアピールしたいところを事前に話しておくとプロの判断で購入希望者の事情に合わせてアピールします。
さらに自宅をきれいにした上で開放し、モデルルームのように見てもらうオープンハウス(またはオープンルーム)は実際に見ていただくことで購入希望者に安心や好印象を持ってもらえるので販売するのには効果的です。

■簡単お掃除チェックポイント


玄 関 靴は靴箱にしまいます。暗い場合が多いので、玄関の照明は明るくなるようにします。靴箱の上の置物などにホコリがないかチェックします。
居室全般 広く見えるよう、不要なものは始末します。
子供部屋 おもちゃなどは箱に入れて整理するなど、散らかっていないことが大切です。
寝 室 プライベート性が高い部屋ですが公開しましょう。「ここに物を詰め込んでいるのでは?」「欠陥があるのでは?」など、詮索されると不利な場合もあります。
リビング モデルルームさながらの演出はいりませんが、テーブルクロスを敷くなど、ちょっとしたことで好感度はアップします。
キッチン 清潔感を出します。レンジや換気扇の油汚れは厳禁です。
バスルーム カビは厳禁です。
トイレ 吊り戸棚などは整理します。扉がない場合は目隠しのカーテンなどを付けます。
収納全般 中を見せてゆとりを感じさせるのが理想です。不要なものは捨てるなど、片付け次第で広く感じさせることはできます。
居 室 笠の拭き掃除、必要なら電気の取り換えなど、部屋を明るく見せる工夫をします。
カーテン カーテンは洗濯、窓ガラスは拭き掃除で清潔にし、部屋を明るく見せる工夫をします。
ベランダ 洗濯物は取り込みます。ほとんどの人がベランダに出てチェックするので、サンダルなどを用意します。物置状態の場合は整理します。

●売出し期間中、押さえたいポイント
・オープンハウス中はできるだけ、売主は外出しているのが好ましいでしょう。
販売物件のセールスポイントの説明は営業マンに任せましょう。特に小さなお子様、ペットを飼っている場合などは、外出しているほうが納入希望者はゆっくりご覧いただけます。
・部屋は整理整頓し、清潔感をだしましょう。
物が散乱していれば「収納が少ないのでは?」、生ゴミがにおえば「虫がいるのでは?」と疑われるかも。できる限り整理整頓し、その家の快適な暮らしを想像してもらう工夫を。
・積極的にチラシ配布をしましょう。
地域内で購入・買換えを望む人は多いので、近隣へのチラシ配布は買主を探す近道です。
ご近所にうわさされるのを嫌がらず、積極的にチラシ配布をしましょう。
・購入希望者にはなるべく早く見学してもらいましょう。
興味を持ってくれた人には、別の住宅に興味が移ってしまう前にいち早く物件を見学してもらいましょう。売り出したらいつでも連絡が取れるようにして、いつでも見学してもらえるようにしておきましょう。





Step5「購入希望者と売却条件を交渉する」
購入希望者が現れたら売却の条件を交渉。特に必要なのは価格、代金の支払い日、物件の引渡し日。仲介会社には事前に「希望と譲れる範囲」を伝え、譲れる範囲なら仲介会社を通して交渉を進めます。

1.価格

値下げを要望されるのは必至ですが、売却価格は買換え予算に影響するので慎重に対応しましょう。希望する家を買うにはいくらで売れればいいか、売却価格からいくら下げたら買換えできなくなるのかを担当の営業マンに相談しておきましょう。
新居の頭金として手元にいくら残れば大丈夫?
売却価格−(ローン残債+売却・購入の諸費用1)+貯金など=新居の頭金
1・・・諸費用は売却時で売却価格の3%〜4%、購入時で購入価格の5%〜7%が目安
2・・・頭金を2割用意するなら新居の頭金×5=購入可能価格

2.代金の受け取り時期

日程次第では自宅についた抵当権を抹消したり、買換え条件の代金を支払うためにつなぎ融資が必要になることもあります。
買主の都合で抵当権抹消のつなぎ融資を使う場合は買主に費用(つなぎ融資の利息分)を負担してもらうこともできるので、受取り時期やつなぎ融資の必要性、経費負担などを明らかにしましょう。

3.引渡し日

引渡し日までに新居に入居できないと仮住まいが必要になるケースもあります。
特に未完成の物件を購入する場合は要注意。契約前であれば引渡し日の交渉も可能なので相談しましょう。





Step6「売買契約を結ぶ」
購入希望者との交渉が成立したら、重要事項説明に立ち会った後、売買契約を結ぶことになります。ここでは売主側の重要事項説明書や売買契約書のチェックポイントを整理し、契約への臨み方をマスターしておきましょう。
買主が決まったら、重要事項説明の場に同席(しないケースもあります)し、売買契約を結びます。
手続きは下記のとおりです。
物件に瑕疵(きず・欠陥)があると引渡し後に修理を要求されるケースもあるので注意しましょう。住まいの内容などは重要事項説明書に記載されるので、内容を確認します。照明器具などの入居中に付けた設備は、外すのか、残すのか、残すなら機能を確認し一覧表にまとめます。その他、必要な書類については仲介会社に確認。 自分で保管しているはずのものもあるので、下記を参考に紛失していないかどうかチェックし、ない場合は早めに相談しましょう。新たに準備するものについては、仲介会社が準備するケース(委任状で委任します)もあるので担当の営業マンによく聞いておきましょう。
物件の瑕疵(きず・欠陥)を確認。
売買条件について仲介会社と最終確認
     ▼
仲介会社が重要事項説明書、契約書を作成
     ▼
必要書類をそろえる
     ▼
仲介会社に設備・備品の扱いや機能を報告。
一覧表をつくる
     ▼
重要事項説明・契約

◎契約や残金決済に必要な書類
*契約時、決済時によって必要な書類は異なりますので、詳しくはこちらをご覧ください。
・固定資産税、土地計画税の納税通知書
・土地・建物の評価証明(仲介会社が用意してくれる場合は交付のための委任状)
・管理費、修繕積立金の滞納がないことを証明する書類
 (銀行から引き落しの場合は通帳のコピーなど)
・管理組合の脱退届(紛失した場合は保証書で代用)
・売却する物件の権利証(権利に関する登録済証)
・印鑑証明書
・司法書士への委任状




Step7「代金の受取りと物件の引渡し」
売買契約を結んだ後に残された手続きは、売却代金の受取りと物件の引渡し。
買換えを成功させるには、購入と売却のタイミングを計ることも欠かせません。
理想的なタイミングのとり方やテクニックをまとめました。
物件代金の受取りと不動産の引渡し日は、買換えで購入する不動産の代金支払いや入居とのタイミングを考慮して決めましょう。
基本的には、双方同時が理想的です。
代金は契約時に手付金として価格の5%〜20%、残りは残金として引渡しと同時に受取るのが一般的です。
残金の受取りには抵当権の抹消が必要ですが、同時決済という方法をとれば、step5で述べたつなぎ融資を使わなくていいので、ベストのタイミングを仲介会社と相談し決めます。
引渡し日については、新居への入居時期などを伝えて仲介会社のアドバイスを受けましょう。